レッドペッパー・カイエンペッパー

 戦後、カレーが日本の国民食になった瞬間から、「カレーは辛れー」というオヤジギャグに、今も多くの人々が苦しめられているのは、おそらくこのスパイスのせいだと思います。というのは、本場のインドのカレー(マサラ)はスパイシー(刺激的)ではありますが、あまり際立つ辛さをもっていないからです。

 レッドペッパーの類はいわゆる唐辛子です。数あるスパイスの中でも辛味を持つスパイスは、唐辛子の類のみなのです!よく街のカレー屋さんで辛さのレベルを選べたりしますが、要するに唐辛子の量を調節しているのですね。

 ただ唐辛子の世界も奥深く、3000種類以上もあると言われており、辛味のレパートリーも様々です。インドカレーでよく使われるのがレッドペッパー、カイエンペッパーです。カイエンペッパーはレッドペッパーよりも辛い品種になります。(買う時にカイエンの方が辛いから量が節約できるよと言われたことがあります。)

 香りを引き立て、身体を刺激し食欲を増進させ、内面から活性化してくれる、この辛味を持ったレッドペッパーもカレーにとって必須のスパイスと言えるでしょう。唐辛子の種類で最も辛いドラゴンズ・ブレス・チリとかキャロライナ・リーパーなどの激辛の唐辛子を使ったカレーは「辛れー!」と涙目で怒り狂うことになるかもしれませんね。